現在、家の中で過ごす人たちの間で巣ごもり消費が拡大しています。
巣ごもり消費とは外出ができない代わりに、自宅であらゆる消費活動をすることです。
この記事では今までの消費活動と巣ごもり消費の生活の違いや、巣ごもり需要で伸びている業界・影響を受けている業界などを詳しく解説します。
目次
巣ごもり消費とは?
巣ごもり消費とはどのようなことなのかを解説していきましょう。
巣ごもり消費とは
何らかの理由で外出ができない場合、家の中で生活を行う消費活動のことを指します。
たとえば2008年に起きたリーマンショック。
アメリカを中心として世界各国が同時不況に見舞われました。日本経済も深刻な景気後退に陥り、節約のために家にこもる巣ごもり消費が増えたのです。
次に、2011年の東日本大震災。
被災者の方々への配慮や節電のためイベントの中止や外出の自粛が広がり、巣ごもり消費が拡大しました。
このように、巣ごもり消費が増加する理由は経済や自然災害等、さまざまであることが分かります。
巣ごもり消費は、二〇〇八年のリーマン・ショック時に、節約のため外食を避けるなどの消費行動が注目された。一一年の東日本大震災でも、心理的な自粛ムードの広がりで、インターネット通販が売り上げを伸ばした。今回は感染防止のため人混みを避ける人が多く、現象はより顕著。局所的な「巣ごもり特需」も招いている。
参考記事 「巣ごもり消費」再来 宅配・外商一部で特需(東京新聞)
巣ごもり消費が増加している背景は
現在、政府から外出自粛が要請され、テレワークに移行する企業や休校となる学校が多くなりました。
この動きを受け、普段は家にいない世代の巣ごもり消費が増加しているのです。
巣ごもり消費以前と今の消費行動の違い
巣ごもり消費が増加する前と増加した後の消費行動の違いをみていきましょう。
食生活 (外食から自炊・デリバリーへ)
生きていく上で必要不可欠なのが食生活です。
働き盛りの人にとって毎日自炊をするのはなかなか大変なもの。
仕事帰りに外食で済ますという人は少なくありません。また休日は家族や友人と外食するのを楽しみにしているという人も多いのではないでしょうか。
外出自粛によって、今まで外食中心の生活を送っていた人が自炊をしたりデリバリーを利用したりと、食生活に大きな変化が起きています。
娯楽 (旅行からオンラインゲームへ)
老若男女問わず人気のある趣味が旅行ですが、外出自粛の状況では旅行をすることはもちろんできません。
巣ごもり生活でも楽しめる趣味のひとつとして人気があるのがオンラインゲームです。
特に若い世代から人気を集めています。
映画 (映画館からオンライン動画VODへ)
映画鑑賞が趣味だという人も多いですよね。密室空間の映画館は感染リスクが高まるため、営業を停止する映画館も増えています。
映画館で観ることができないのであれば自宅で観ようと、DVDをレンタルする人や好きなアーティストのLIVE、過去のドラマなどを観ることができる動画アプリが人気を集めています。
買い物 (外出からネットスーパーへ)
感染リスクを少しでも抑えるために、買い物もできるだけ控えたいという人も増えています。そんな人に便利なのがネットスーパーでしょう。
注文した商品を指定した日時に家まで届けてくれるという非常に便利なサービスです。
米や酒など重い品物を自宅まで運んでくれるのも嬉しいですよね。
「巣ごもり消費」で特に需要が伸びているものもある!
今回の巣ごもり消費で特に需要が伸びている分野を紹介しましょう。
ECショッピング
Web上でさまざまな商品を販売しているECサイト・ECモール。
有名なのがamazonや楽天市場でしょう。一度は利用したことがあるという人も多いのではないでしょうか。
食品、日用品、服飾雑貨など、生活していく上で必要なものはECショッピングでほとんど揃います。
巣ごもり消費をする中で欠かせない存在と言っても良いでしょう。
出前やテイクアウト
毎日自炊ばかりというのもなかなか疲れるものです。そんな時に救世主となるのが出前やテイクアウトといったサービスです。
出前と言えば、ピザを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
実際、デリバリー専門のピザチェーン店各社は売り上げが大幅に増加しています。またUberEats(ウーバーイーツ)という宅配サービスも注目を浴びています。簡単な登録をするだけで、チェ―ン店やレストランの料理を家まで運んでくれるという画期的なものです。
参考 UberEats
出前だけではなく、家に持ち帰るテイクアウトも人気です。
巣ごもり消費の増加を受け、テイクアウトサービスを新たに開始する飲食店も増えています。
オンライン動画サービス(VOD)
毎月一定額の料金を支払うと、映画やドラマ、アニメなどが見放題という動画サービスが人気を集めています。
参考 NETFLIX
スマホやタブレットだけではなく、パソコンやテレビで視聴することもできます。
視聴可能な番組が多く、料金も比較的安いため、インターネット環境が整った家であればレンタルショップを利用するよりコスパが良いと言えるでしょう。
外出自粛により時間に余裕ができたという人の利用が増加しています。
GAFA(がーふぁ)とは?4大アメリカ巨大IT企業について分かりやすく解説
フィットネスの動画やDVD
巣ごもり生活が続くと、心配なのが運動不足。
外出しなくなると運動不足による肥満や生活習慣病が心配です。高齢の方は、足腰の筋力低下も気になりますよね。
そんな中、自宅でもできるフィットネスへの関心が高まっているのです。
日ごろから健康意識の高い人は、巣ごもり中も動画サイトやDVDを見ながら体を動かし、運動不足を解消しているようです。
カップ麺やレトルト食品需要も
調理が簡単なカップ麺やレトルト食品。巣ごもり消費に備えてこれらを備蓄するご家庭が増えています。
テレワークになった人や、休校になった子どもが家にいるというご家庭の方が特に好む傾向にあるようです。
消費期限も長いことから一度に大量購入する人が増え、買いだめ問題も世間を騒がしました。
個数制限を設けるなどして多くの人に平等に行きわたるよう工夫をしている販売業者も多く見られます。
テレワークってどんな働き方なの?メリット・デメリットについても分かりやすく解説
「巣ごもり消費」で外での消費は減少傾向に 影響を受ける業界
需要が伸びる分野がある一方で、需要が減少している業界もあります。
外食産業
外出自粛で、外食を利用する人は激減しています。
営業時間の変更や一時的な閉店を余儀なくされる飲食店も多く、大きな痛手を受けている業界のひとつです。
中でも夜の外出は感染リスクが高まると言われており、頭を悩ませている居酒屋オーナーは少なくありません。
旅行業
世界中での自粛ムードの中、国内外問わず旅行の予約は相次いでキャンセルとなり、旅行会社や交通会社だけではなくホテルや旅館などの宿泊施設も大きなダメージを受けています。
デパート
密集を避けるために催事を中止したり営業時間を短縮したり、デパート業界も大きな影響を受けています。
デパ地下と呼ばれる食品を取り扱うフロアのみ営業するというデパートも多いですが、公共の交通機関を使って行くような繁華街のデパートは来店客が大幅に減少傾向にあります。
巣ごもり消費とは まとめ
巣ごもり消費が拡大すると、需要が高まる業界と減少する業界が顕著に表れるということをご理解いただけたと思います。
2020年4月に緊急事態宣言が発令され、日本経済は戦後最大の危機に直面しているとも言われています。
これ以上の危機拡大を食い止めるためには巣ごもり消費を続けることが必要です。
この状況で高まる需要をとらえ、ビジネスに生かすことが成功の秘訣ではないでしょうか。
テレワークってどんな働き方なの?メリット・デメリットについても分かりやすく解説 GAFA(がーふぁ)とは?4大アメリカ巨大IT企業について分かりやすく解説 新しい働き方「パラレルワーク」ってなに?始める前に知っておきたいメリット・デメリット 「ギグワーカー」とは?働き方改革で注目される現代の働き方を解説します ライブコマースとは?海外で人気の新しい購買方式はこれから日本でも流行るのかわかりやすく紹介